俗説の払拭:科学的研究により、ナッツと体重増加の真実を確認

食生活トレンドが常に変動する世の中で、揺るぎない事実があります:ナッツは栄養価が高く、風味、食感、健康上の利点が揃っていること。食の魅力と利点が証明されているにもかかわらず、ナッツが体重増加につながるという根拠のない誤解が根強くあります。しかし、最近の科学的研究の数々が、この神話を否定しているのです。

Image: courtesy of Nuts for Life

ナッツの栄養と健康効果に関するオーストラリアの先駆者、ナッツ・フォー・ライフは、最近、ナッツと体重管理に関する科学的証拠を要約したものを発表しました。関連するウェビナーでは、南オーストラリア大学の人間栄養学教授でアライド・ヘルス・ヒューマン・パフォーマンス研究部長のアリソン・コーツ氏が、ナッツの摂取と体重への影響に関する最新の科学的研究を紹介しました。

結論は?ナッツはエネルギー密度が高いにもかかわらず、ナッツを定期的に摂取している集団は体重の増加が少なく、肥満のリスクが低いというのです。

ここでは、世界的な研究から引き出された豊富なエビデンスを掘り下げ、最適な体重管理を促進するためのナッツの役割は、食品と医療の専門家と消費者にとって不可欠であることをお伝えします。

複数の研究より:ナッツは体重増加につながらず

コーツ教授によると、科学的な証拠が増えるにつれ、この結論まますます明白になり、ナッツと体重の関係に潜むニュアンスの理解も深まるといいます。

「ナッツは本質的に健康に良いものです。エネルギー密度が高く、健康的な一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸を多く含むにもかかわらず、食べても体重が増加することはありません。

教授は、この結論を補強する極めて重要な研究を強調し、一連の重要発見を披露しました  

  • ナッツを食べることは、過体重や肥満のリスクが低いことと関連しており、ナッツを定期的に摂取している人は、そうでない人に比べて、より安定した体重を維持している.。これは、ヨーロッパとアメリカの6つの前向きコホート研究データを統合した2021年の観察調査の結論である。
  • EPIC [i]トライアルとして知られるヨーロッパの大規模研究によると、ナッツの消費量が最も多い四分位群に入る人は、ナッツを食べない人に比べて5年間の体重増加が有意的に少ない。
  • ナッツの摂取は体重、BMI、体脂肪、ウエスト周囲径に悪影響を及ぼさず、実際、ナッツの摂取量が多いほど体重と体脂肪が減少する。これは、86の無作為化対照試験のデータを網羅した2021年の包括的研究レビューの結果であるi

ナッツ摂取が減量結果に与える影響を精査した新たな研究

ナッツによる体重増加の神話を払拭する説得力のある証拠を踏まえ、コーツ教授と研究チームは、積極的に減量しようとしている人々が食事にナッツを取り入れたらどのようになるかに注目をしました。

「エネルギー制限のある食事にナッツを取り入れたらどうなるのか、同じ量の体重減少が見られるのか、それとも結果が損なわれるのか、を探ってみたかったのです。」とコーツ教授は語ります。

ナッツを含む食事と含まない食事を直接比較できるように、体重減少を誘導するためのカロリー制限プロトコルを採用した無作為化対照試験のスコープレビュー を行いました。

「幅広いカロリー制限と4週間から52週間の期間を含む7つの試験に分けました。また、ナッツの種類も様々で、1日3回、摂取目安量である30gを超えたものを食べてもらいました。」

レビューでは、すべての試験で体重減少が観察され、どの試験でもナッツが体重減少を制限することはなかったと結論づけられました。実際、7つの試験のうち4つは、ナッツを食事に取り入れた場合に有意に体重減少がみられ、ナッツが体重管理を強化する可能性があることが確認されました。

Hands holding a bowl containing salad leaves and macadamia nuts

どんな働きがあるのか?

ナッツがもたらす体重減少には、複数のメカニズムが働いていることがわかります。主なものは:

  • ナッツはタンパク質と食物繊維を豊富に含むエネルギー密度の高い食品である。そのため満足感が高く、コーツ教授の報告によると、ナッツを食べると満腹中枢が刺激されるからです。空腹感が減れば、全体的なカロリー摂取量を減らすことができるのです。
  • ナッツはよく噛む必要がある。ナッツを分解するために必要な咀嚼動作は、体内のシグナル伝達システムを活性化させ、満腹感を引き起こす可能性があります。[i]
  • 食事の質および食品の変位。データによると、ナッツ消費者は非消費者よりも食事の質の点で優れています。コーツ教授は、ナッツを追加したり、健康的でない他のスナックと置き換えたりすると、人々の食生活全体が改善されることを、自身の研究と他の研究の両方から発見しています
  • 予測される代謝エネルギーより低い。私たちの体がナッツから吸収するエネルギーは、パックに記載されているキロジュール(カロリー)数よりも、最大で26%も少ないといわれます[ii]。 コーツ教授によれると、ナッツをそのままの形で摂取すると、脂肪が細胞壁の中に閉じ込められるため、人体がナッツからすべてのエネルギーを取り出すことが難しくなると考えられている。 ナッツに含まれる脂肪の消化率が低下することで、キロジュールの吸収率が低下します。
  • ナッツは美味しく、好ましい。調査によれば、ナッツを取り入れた体重管理計画は、より楽しいものとみなされ、その結果、人々はより長く計画を遵守することができますiv。

ギャップを埋める

ナッツ摂取と体重増加をめぐる混乱は、2つの重大なギャップを生んでいます:一つは健康専門家の間で、一つは消費者間です。

最近、オーストラリアの医療専門家が、健康と体重管理のためにナッツを摂取すべきかどうかに関する知識と認識について調査を行いました。

72%がナッツを毎日の食事に取り入れるべきであると回答し、68%の栄養士/管理栄養士がクライアントにナッツをもっと食べるように勧めています。しかし、体重管理や、ナッツを食べることが望まない体重増加を引き起こすかどうかについては、回答はまちまちであり、ナッツの摂取と体重管理の背後にある科学的根拠を教育するために、さらなる取り組みが必要であることを示しています。

消費者レベルでは、ナッツ摂取に関連する健康上の利点はよく知られており、ナッツ摂取ガイドラインは世界的に周知されているが、ほとんどの人の摂取量は推奨レベルに達しておらず、「体重の壁」が摂取量増加の大きな障害になっていると考えられています。

Woman smiling while holding a macadamia nut

オーストラリアはこれを完璧に表しています。ナッツ類は、オーストラリアの『健康的な食生活のためのガイド』(Australian Guide to Healthy Eating)では、タンパク質が豊富な食品カテゴリーに分類されており、1日の推奨摂取量は30グラム(マカダミアナッツ約15個分)と記載されています。しかし、オーストラリアの成人では[i]

  • ナッツの平均消費量はわずか6グラム
  • 約60%はナッツ類を全く食べていない。
  • 1日30グラムの目標量を満たしているのはわずか2%。

この摂取不足がもたらす影響は甚大といえます。オーストラリアのモデリングデータによると、より多くの人がナッツを食べれば、人口レベルで健康状態が改善します。国民の消費量を推奨されている1日30グラムに引き上げれば、心血管系疾患と癌に関連するコスト削減だけで、少なくとも9億8000万オーストラリアドルの医療費削減につながると推定されているのです。

魅力的な健康効果の拡大

体重管理におけるナッツの重要な役割は、すでにある健康上の利点に新たな層を加えます。健康的な不飽和脂肪(マカダミアは木の実の中で最も多くの一価不飽和脂肪を含む)を豊富に含む栄養の宝庫であるナッツは、ポリフェノール、植物ステロール、カロテノイドだけでなく、植物性タンパク質、食物繊維、主要ビタミン、ミネラルの保存可能で便利な供給源です。

ナッツは、食事の質を高めるだけでなく、心臓血管の健康、代謝の健康、腸の機能、脳の健康、認知能力の向上に寄与します。

科学的な文献のまとめは、健康的な食事パターンにおけるナッツの役割を力強く立証しており、効果的な体重管理へのナッツの貢献に関する長引く疑念を払拭しています。

詳細については、「ナッツ・フォー・ライフ科学的証拠の要約」をご覧になるか、オーストラリア・マカダミア協会までお問い合わせください。


 

i Nishi, S.K., et al., Are fatty nuts a weighty concern? A systematic review and meta-analysis and dose–response meta-regression of prospective cohorts and randomized controlled trials. Obesity Reviews, 2021. 22(11): p. e13330.
ii Freisling et al 2018, Eur J Nutr, .57(7):2399-240
iii Mead et al Nutr Res Rev. 2024 Feb 23:1-40. (Online ahead of print)
iv Mattes, R.D. and M.L. Dreher, Nuts and healthy body weight maintenance mechanisms. Asia Pac J Clin Nutr, 2010. 19(1): p. 137-41.
v O’Neil et al (2016). Food Nutr Sci, 7, 504-515.
vi Griel et al (2004). J Am Coll Nutr, 23(6): 660–668.
vii Nikodijevic, C.J., et al., The Metabolizable Energy and Lipid Bioaccessibility of Tree Nuts and Peanuts: A Systematic Review with Narrative Synthesis of Human and In Vitro Studies. Advances in Nutrition, 2023. 14(4): p. 796-818.
viii Pearson et al (2017). Eur. J. Nutr; 56 (3):1255–1267
ix Tran et al (2022) Nutrients Apr 15; 14(8):1660
x https://www.mdpi.com/1660-4601/17/23/9127
xi www.eatforhealth.gov.au/guidelines/australian-guide-healthy-eating
xii Nikodijevic, C.J., et al., Nut consumption in a representative survey of Australians: a secondary analysis of the 2011-2012 National Nutrition and Physical Activity Survey. Public Health Nutr, 2020: p. 1-11.
xiii https://www.nutsforlife.com.au/resource/a-daily-handful-of-nuts-could-save-public-health-980-million-every-year

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