
Z世代は、もはや遠くから眺めるだけの消費者ではありません。多くが社会に出て自分の収入を得るようになり、何をみつけだし、購入し、消費するか、に与える影響はますます大きくなっており、無視できない存在です。SNSのおかげで、気になって見つけてから購入するまでの距離はぐっと縮まり、味の好み・使いやすさ・自分に合った健康志向への期待も、それに合わせて進化してきています。
一方でアルファ世代は、まったく違うライフステージにいます。買い物はまだ親に大きく頼っていますが、この世代はすでに「家に何を持ち込むか」に影響を与え始めており、栄養や機能性、そしてどんどん活発になっていく食体験への関心が高まる中で育っています。
Mintel社は、Z世代を1997年〜2010年生まれ、アルファ世代を2011年以降生まれと定義しています。この2つの世代を合わせて見ることで、これから食と飲料の消費がどこへ向かうのかが見えてきます。
SNSのフィードからショッピングカートへ:Z世代が変える食の発見と購買のプロセス
Z世代にとってSNSは、単に食のトレンドを知る場ではありません。インスピレーション・発見・購入が交わる場所です。
この傾向は中国で特に顕著といえます。Mintel社によると、18〜24歳のZ世代のパッケージスナック購入者のうち50%が、抖音(ドウイン)、快手(クァイショウ)、小紅書(シャオホンシュー)といった中国のソーシャルメディア上でパッケージスナックを購入した経験があると答えています。他国では、プラットフォーム内での購入までには至らないケースもありますが、食の選び方への影響は依然として大きいものです。Mintel社の調査では、米国のZ世代成人の56%がSNSで見た健康的な食事に影響を受けたと回答し、タイのZ世代成人では67%が、インフルエンサーやSNSのニュースを機能性食品・飲料を購入する際の最初の情報源にしています。
これによって、トレンドの始まりからビジネスチャンスまでの距離が縮まっているといえます。Mintel社の食品飲料部門アソシエイトディレクター、コーマック・ヘンリー氏が指摘するように、ブランドは「バイラルで話題性でバズるだけでなく、フレーバーやフォーマットのトレンド」に合わせながらも、実際に食べた/飲んだ時の商品の味や食感という商品の本質的な品質でも消費者の期待に応える必要があります。
その一例が、米国のHawaiian Host Ube White Chocolate Macadamiasです。ローストしたマカダミアナッツとクリーミーなホワイトチョコレートに、鮮やかな紫色が特徴のウベ(紫芋)を組み合わせており、その色合いがSNSで話題を集める理由の一つになっています。
経済的なプレッシャーも購買行動を左右しています。コーマック氏は、経済的な制約を抱える若い消費者にとって、食と飲料が手の届く楽しみになっていると語ります。「この世代は、経済状況が良くなるのをただ待つことに満足していません」と同氏は言います。「その間もずっと、自分たちなりに楽しみを見つけたいと思っているのです」。
ウェルネスのパーソナル化: すぐに効果を感じられるものから血糖値トラッキングまで
Z世代のウェルネスへの向き合い方も、「すぐに効果を感じたい」という思いに形作られています。Mintel社の複数市場にまたがる調査では、若い世代ほど、はっきりとした短期的なベネフィットをもたらす機能性食品・飲料への需要が強いことが分かっています。米国では、Z世代成人の38%が「即効性のある機能性ドリンクを好む」と強く同意しており、ドイツのZ世代の機能性食品・飲料利用者では62%が、エネルギー補給など、その場のニーズを満たすためにこうした製品を摂っています。
テクノロジーは、こうした期待をさらに一歩先へ進める可能性があります。「ウェアラブルの血糖値モニターが手頃な価格になれば、この流れは加速するでしょう。若者は、どの食品や飲料が血糖値を急上昇させるのか、より個人に合わせたデータを手にすることになります」とコーマック・ヘンリー氏は話します。Mintel社の調査によると、中国では25〜29歳の消費者の39%が、過去12か月以内に血糖値管理の一環として、糖分を抑えた・コントロールされた食品や飲料を購入した経験があります。マカダミアナッツはこの点で相性のよいポイントがあります。それは、天然な強み炭水化物が少なく、健康的な脂質・タンパク質・食物繊維のバランスが良いため、食後の血糖値の急上昇を抑える助けになります。¹

Mintel社の調査では、Z世代がすでに「証拠」を求めていることも分かっています。オーストラリアのZ世代消費者の58%が、科学的根拠に裏付けられた強化食品や機能性食品・飲料の方が、そうでない製品より信頼できると答えています。コーマック氏の言葉を借りれば、「機能性とのつながりが薄い主張をいくつも並べるより、しっかり実証された機能性の主張を一つ持つ方が、説得力を持つ場合があります」。
これまで高齢層のものと思われがちだった心臓の健康も、今では若い世代の関心事になりつつあります。ウェアラブル端末で健康の状態が見えるようになったこともあり、米国のZ世代の23%が「心臓の健康をとても気にしている」と答えています。マカダミアナッツは、心臓の健康を支えるとされる「良い」脂質、一価不飽和脂肪酸を木の実の中で最も多く含んでおり、この点でも説得力のある選択肢になります。²、³
揺らぐ「食事」の地位
食との向き合い方の変化は、Z世代がいつ、どのように食べるかにも表れています。米国では、Z世代消費者の26%が1日に3回以上間食すると答えており、ベビーブーマー世代のわずか9%と比べて大きな差があります。オーストラリアでは、間食をするZ世代の55%が、週に少なくとも1回は食事を間食に置き換えていると答えています。

この変化は、ナチュラルな食品・飲料への需要の高まりとも重なっています。米国のZ世代の61%が「オールナチュラル」または「天然原料使用」と表示された製品を日常的に選んでおり、ベビーブーマー世代の45%を上回っています。コーマック氏は、マレーシアの「Break First by Amy」のイチゴウエハース・カシュー+マカダミアバター(原材料わずか5つ)を例に挙げ、マカダミアナッツがシンプルで馴染みのある配合に風味と食感を加える役割を果たしていると話します。
アルファ世代:「栄養に神経質な」世代?
Z世代が食と飲料に多くを求めているとすれば、アルファ世代はそれを当たり前として育つのかもしれません。Mintel社はあえて挑発的な言葉として「栄養に神経質(nutritionally neurotic)」という表現を使い、食事や栄養への親の関心が高まる中で育つこの世代を表現しています。英国・ブラジル・中国では、Mintel社の調査では、栄養摂取や健康的な食習慣、野菜・果物の摂取に対する親の強い関心を示しています。

こうした関心は、すでにアルファ世代向けに開発される製品にも表れています。Mintel社によると、5〜12歳をターゲットにした、栄養成分の添加・強化といった機能性や「プラス」の訴求を持つ新製品の数は、過去10年でほぼ2倍になりました。付加価値のあるベネフィットを訴求する製品は、アルファ世代が自分で買い物の決定をするようになるずっと前から、彼らにとって身近な存在になりつつあります。
糖分も、アルファ世代を取り巻く食環境が変わりつつある分野の一つです。Mintel社によると、5〜12歳の子ども向け食品・飲料に含まれる添加糖分の平均量は、世界的に過去4年間で約15%減少し、2022〜2023年の100g/mlあたり23.33gから、2025〜26年には19.76gになりました。配合を考える上での難しさは、子どもが生まれつき甘い味を好む一方で、多くの親が人工甘味料を避けたがるという点にあります。低糖質の配合を求める動きが強まる中、マカダミアナッツのような、天然由来で糖分の低い原料は、今後さらに重要になっていく可能性があります。
「せがむ力」と「親の許可」が交わるところ
アルファ世代は自分なりの食の好みを形づくり始めていますが、今のところその好みは「親というフィルター」を通す必要があります。コーマック・ヘンリー氏が言うように、ブランドはアルファ世代に響くことと、最終的に家庭の食料品予算を握る親を納得させることの間で、絶妙なバランスを取らなければなりません。

ブランドがこの溝を埋める方法の一つが、食をもっと「参加型」にすることです。Mintelの調査では、オーストラリアのアルファ世代の親の86%が「一緒に料理をすることは家族の絆にとって大切だ」と答え、70%が「自分の子どもは新しい食べ物や味に挑戦するのが好きだ」と答えています。ここに、子どもが作る・カスタマイズする・ディップする・飾り付けるといった、参加できる形の商品にチャンスが生まれます。マカダミアナッツはこうした体験にぴったりで、ホールカーネル・ピース・ペースト・スプレッドなど、さまざまな味わいと食感を、参加型で共有しやすい形で届けることができます。
アレルゲン対応方針が「食べられる場面」を左右する
ナッツ類に関して、アルファ世代はもう一つはっきりした検討事項をもたらします。それは「どこで食べられるか」です。学校や保育施設のアレルゲン対応方針は地域や施設によって違いますが、購入の判断に大きく影響することがあります。Mintel社のオーストラリアでの調査では、アルファ世代の親の61%が、「子どもの通う学校のアレルゲン対応方針が、購入する食品・飲料に影響している」と答えています。
だからといって、マカダミアナッツがアルファ世代向けの機会から外れるわけではありませんが、焦点は「ふさわしい場面」に移っていきます。家庭でのおやつ、家族でのシェア、料理やお菓子作りは、マカダミアナッツが大人の目が届く食体験の一部として楽しめる場面を提供してくれます。
商品開発者にとっての意味
Z世代とアルファ世代は、それぞれ違う形ではありますが、若い消費者が食と飲料に多くを求めていることを示しています。商品開発者にとってのチャンスは、信頼性と楽しさのバランスを取ることにあります。独自性のある味わいと食感、変化する利用シーンに合ったフォーマット、馴染みのある原材料、そして発見を誘う十分な新しさ。マカダミアナッツはこうした多様な要求に応えることができ、明日の消費者像が形づくられていく中で、メーカーに大きな柔軟性をもたらしてくれるはずです。
本記事は、Mintel社がAustralian Macadamias社の依頼により2026年7月に実施した独自分析(オーダーメイド分析)に基づいており、世界各国の消費者調査や市場インサイトを参照しています。また、以下の資料からも追加のインサイトを引用しています:
- 『How To Target the Nutritional Needs of Each Generation』(各世代の栄養ニーズにどうアプローチするか)、Mintel、2025年1月
- 『Australia: Feeding Gen Alpha – Who’s In Control?』(オーストラリア:Z世代の次、アルファ世代に何を食べさせるか──主導権は誰にある?)、Mintel、2026年5月