ピュアナッツ・スキンケアの主役はマカダミアナッツオイル

アン・レスリーさんが家族で経営するマカダミア農場から何か新製品を発信したい考えた時、最初に浮か んだのは食品でした。しかし、その後調査を続けるうちにマカダミアナッツオイルのアンチエイジング効果 に魅せられて方向転換。何ヶ月もかけ試作品を作り続け、ようやくピュアナッツ・マカダミア・スキンケアが 誕生しました。

夫でマカダミア栽培家のアンドリューさんの協力のもと、アンさんは6種類のフェイス・ボディケアの製品を 開発しました。もちろん全ての製品にオーストラリアの高級マカダミアオイルが配合されています。まだ発 売数ヶ月ですが、既にオーストラリアの小売店で話題になっており、アジアからも高い注目を集めています。

マカダミア農家への転身

レスリー家は長年ブリスベンに住んでいましたが、2008 年に変化を求めてニューサウスウェールズ州の ノーザン・リバー地区に移住しました。それまでは、アンさんは教師でアンドリューさんは会計士でしたが、 この地で既に収穫可能なマカダミア農場を購入しました。マカダミア農場は実はアンドリューさんのルーツ でもあったからです。

アンさんはこう語ります。「アンドリューの両親がマカダミア農場を所有していたので、彼はマカダミアをビジ ネスとする環境で育っています。彼の父は今でも最初の農場を所有しており、その後、農場の数を増やし ています。兄弟もマカダミア農場を所有しています。」

二人はマカダミアを育てるだけでなく、敷地内にガーデンセンター、保育園、カフェとギフトショップを経営し てきました。現在では閉店していますが、代わりに宿泊が可能なゲストハウスを経営しています。アンさん はこれらと並行して4 人の子育てをしており、チャレンジ精神が旺盛です。

新しいビジネスへの挑戦

アンさんはカフェとギフトショップを併設したガーデンセンターの運営に日々関わっていました。閉店を決め た時、今度はマカダミア栽培と強い結びつきのある事業を始めたいという願望が芽生えました。マカダミア 生産者として自然と思い浮かんだのは食の新製品を作ることで、アイディアを温め始めました。しかし、 調査を続けるほど、マカダミアが肌に良いという事実を学んでいったのです。

市場には他にもマカダミアを使用したスキンケア製品があります。しかし多くは比較的年齢の高い層をター ゲットにしていると気づき、もっと別の顧客層を開拓するチャンスがあるのではないかとアンさんは思うよう になりました。「マカダミアオイルはアンチエイジング効果があり、老化を予防できるのです。なので、もっと 若い層にアピールした製品を作りたいと思ったのです。」

奥深くまで届く成分

アンさんが製品開発時に独自に実施した研究によると、マカダミアオイルの成分は肌の深い部分まで浸透 し、栄養価が高いため皮膚細胞の再生を促しアンチエイジングに繋がるそうです。また日焼けによる肌の ダメージにも効果があります。これは、アンさんの16 歳の息子がサーフィンに出かけ肌を真っ赤にして帰 宅した時に実感した効果だそうです。 

アンさん自身、ピュアナッツ・マカダミア・フェイスアンドボディオイルを1 年間使い続けた結果、研究を通じ て判明した効果を肌で実感しているそうです。「今、通常の乳液を塗ると、肌の上に乗っているだけのよう に感じます。マカダミアオイルだと表面から中へと浸透し、肌の奥の方に届いているのが分かります。」

ご自身の肌に大きな効果があったと感じているアンさんですが、客観的な感想も非常に大切にしています。 「多くの人にトライアル品を配って感想を聞きましたが、正直な感想を教えて欲しいと念を押すようにしまし た。」 

試作を重ねたことが功を奏し、新発売したピュアナッツ・ブランドは好評な滑り出しです。「まだ販売して間も ないですが、サンプルを使ったほとんどの人にお買い上げいただいています。」

天然由来のスキンケア

レスリー家ではマカダミアオイルまでを生産し、その後の製造過程はブリスベンにある化粧品製造所に委 託していますが、製品のベースとなるマカダミアオイルは100%の純度に精製したものを使うよう指示を出 しています。 

その結果、化学的な添加物を一切使用しない天然由来成分のスキンケア製品が完成しました。「フェイス アンドボディオイルは天然由来成分だけを用いているので、食べても大丈夫なくらい安全です。食べても大 丈夫と謳うモイスチャライザーは他にはあまりないと思いますよ。」

また、いくつかの製品には地元で採れるマヌカハニーを配合しています。これもマカダミア農家としてのコ ネクションがあったから可能となりました。「マカダミアの花が開花する季節に合わせて私たちの農場に蜂 を放つ養蜂家の方がいるんです。その方がマヌカハニーを生産するための農場を所有していたので、直 接買い付けることが可能になりました。とても高品質のマヌカハニーで、製品の差別化にも役立っています。 ハチミツとマカダミアオイルは最強とも言えるコンビネーションです。」

その他、製品に使用されている天然由来の成分には、香料として使われているラベンダーとオレンジや、 ボディスクラブに配合されているクルミの殻の粒などもあります。現在、化粧品グレードで使用できるマカダ ミアナッツの殻はありませんが、アンさんは将来的には挑戦したいと意欲を見せます。

教師として広めたい知識

アンさんは元々教師なので、マカダミアが肌にとっていかに素晴らしいか教育したいという気持ちが強くあ ります。これはピュアナッツの成功にとって重要な要素となったようです。「フェイスケアにオイルを使うのに 抵抗感を持つ人もいます。特にオイリー肌の人は、オイルを塗るとさらに悪化するのではないかと心配しま すが、実際はオイルを使用することで肌のオイル・バランスが整います。以前までは脂肪を食べるのは 身体に悪いと思われていたのが、最近では良い脂肪なら身体に良い作用があると私たちが学んだのと同 じです。」 

小売業の経験も生きています。どのような物が売れるか、価格帯はいくらにすれば良いのかアンさんは良 く理解しています。

「どの製品も35 オーストラリア・ドル以内で購入できます。もちろん添加物が少ないので 価格を抑えることができたのもありますが、ギフトとして最適なばかりでなく、自分のために購入しても罪悪 感を覚えないような価格にしたかったのです。」

ストーリー性の持つ強さ

現代の消費者は、身体に取り入れる食品の持つストーリー性に大変興味を示しますが、それはスキンケア 製品でも同じだとアンさんは考えています。

オーストラリアの食の世界では、高品質とサステナビリティを表現するために「飼育場から食卓まで (Paddock to Plate)」という言い回しを良く使います。アンさんは美容の世界でも、オーストラリア産の原材 料だけを使用し、添加物を加えないスキンケアのコンセプトとして「畑から顔まで(Farm to Face)」という言 葉を使っています。

The Leslies’ sons in the family’s macadamia orchard

このコンセプトは非常に分かりやすく、家族経営のマカダミア農場のストーリーと相まって、オーストラリア 産の製品を好む小売店に好感を持って受け入れられています。 

また、美容展示会でもこのコンセプトは受けが良いようです。展示会では2 人の息子とマカダミアの木の写 真を大きく引き伸ばして人の目を引く作戦を実行しました。「多くの人はマカダミアがどのように栽培されて いるのか知りません。木になったマカダミアの様子や、緑の殻、茶色の殻、殻の中、と成長の過程を写真 でお見せすると皆様大変喜ばれます」とアンさんは楽しそうに語ってくれました。

アジアで高い関心

ピュアナッツ製品はオーストラリアの小売店ばかりでなく、アジア市場でも注目を集めています。「アジアで の関心の高さには驚きました。アジア市場はクリーンでグリーンな製品を求めており、オーストラリア生産 者への信頼が高いです。また、アジア人はオーストラリア人以上にマカダミアオイルをスキンケアに使うこ との良さを理解してくれているようです。」 

アジアで成功する戦略として、アンさんはアジア向けの製品ではラベルやパッケージを変更することも視野 に入れています。「有望な取引先からは、オーストラリア産という事をもっと強調して欲しいとのフィードバッ クをいただいているので、より一層オーストラリアを前面に出す方向性で考えています。」

ファミリー・ビジネスとして 

ピュアナッツ事業の中心にあるのは、レスリー夫婦のマカダミアへの情熱です。しかし、10 代の子供たちと 一緒に製品開発を行った事もアンさんにとっては重要な出来事でした。 

「ピュアナッツは本当にファミリー・ビジネスです」とアンさんは誇らしげに言います。「子供たちと一緒に事 業を進め、間違いも共有しました。彼らに間違っても大丈夫だと教訓を示すことで家族の絆を深めることが 出来たのは、このビジネスを通じて得た大きな収穫でした。」

The Leslie family

また、地元のマカダミア業界を巻き込むことができたのもアンさんにとって嬉しい出来事です。 

レスリー家が栽培したマカダミアはニューサウスウェールズ州北部にある加工業者に送られていますが、 食品としては売れない割れたマカダミアはクイーンズランドに輸送され、そこでコールドプレスされマカダミ アオイルに精製されます。美容に使用されるマカダミアオイルは、化学物質を一切添加することなく、匂い、 色、脂肪酸、過酸化物などの不純物を取り除き、純度を高めます。ピュアナッツの製品はレスリー家だけで なく、ノーザン・リバー地域の複数の農場のマカダミアが使用されています。「ノーザン・リバー地区から集 まったマカダミアを使用することで、我々の農場だけでなく、地域経済全体に貢献できるのは大きな喜びで す」とアンさんは言います。

アジアで高い関心

2 月の発売以来、ピュアナッツは15 箇所の小売店や卸売業者で取り上げられ、そのうち1 箇所は2 週間 もたたないうちに売り切れとなり、再注文がかかりました。オンライン販売も行っている他、今後も美容関係 の展示会に出展する予定です。

今後ピュアナッツを大きくするためにアンさんは、流通経路の拡大、輸出の開始、パッケージングの手直し と新製品開発を行いたいと思っています。それにはここまでの経験で学んだ事が大きく役に立つでしょう。 

現在ピュアナッツのベストセラー製品は、フェイスアンドボディオイル、アイクリーム、そしてリップバームで す。しかし、常に新しい製品を考えることが長期的な成功を約束してくれるとアンさんは思っています。「既 に新製品のアイディアが頭の中にあるし、毎日農場で育っているマカダミアを見るとインスピレーションが 湧いてきます。」 

効果の高い製品、美しいブランディングとパッケージング、そして家族の貢献とオーストラリアらしいストー リーが揃ったピュアナッツは大きな成功を収めるでしょう。ピュアナッツのローンチを心から祝福すると共に、 今後も大きな躍進のニュースが届くのが楽しみです。

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マカダミアの原産地であるオーストラリアは、太古の熱帯雨林に基づいた産業が盛ん。約6,000万年前にオーストラリアの土壌で誕生し、現在では約50年の歴史を持つ商業用マカダミア農園は、ニュー・サウス・ウェールズ州とクイーンズランド州を中心に、複数の地域に41,000ヘクタール以上の広さで育成されています。

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