ソーシャルメディア・ブートキャンプを開催

Rainforest regeneration on macadamia farm

ブートキャンプという言葉を聞くと、ほとんどの人が腕立て伏せなどのきつい運動ばかりを行うキャンプを連想するでしょう。しかし、今回のブートキャンプ(集中講座)はフィットネスではなくフェイスブック。9月前半にオーストラリア・マカダミア協会は初となるソーシャルメディア・ブートキャンプを開催しました。3日間に渡る集中講座には全部で6カ国のマーケティング・エージェンシーが参加し、オーストラリアの人気番組「Paddock-to-Plate」さながらに、マカダミア農家を巡る旅を展開しました。

オーストラリアのマーケティング・チームと共にこのプログラムに参加したのは、日本、台湾、韓国、中国、ドイツのオーストラリア・マカダミア協会のマーケティング活動を担っている担当者たち。

マカダミアの生まれ故郷に程近い、ニューサウスウエールズ州の北東沿岸部にある美しい街、バイロン・ベイに広がるマカダミア産地を訪れ、マカダミア産業のあらゆる面に触れました。

今回のプログラムはマカダミアの主要輸出国でのコミュニケーションの質と一貫性を改善することを目的とし、当協会が各マーケットで使用している主なデジタルメディア(フェイスブック)上に、より興味深い内容のコンテンツを掲載することで、人々の興味関心をひき、さらにオーストラリア産マカダミアへの絆(エンゲージメント)を高めることを目標としています。結果として、今期のソーシャルメディアのエンゲージメントを25%アップすることを目標としています。 共有された知識は「オーストラリア・マカダミア協会ソーシャルメディア・プレイブック」にも活かされ、現在及び将来のマーケティング・スタッフがソーシャルメディア・コンテンツの作成とキューレーションを活用し、世界の消費者にマカダミアを宣伝するためのガイドラインとなります。

コンテンツの5本の柱

当協会が世界各国で実施しているソーシャルメディア・キャンペーンは既に1千万人の消費者にリーチしています。この成功をもたらしているのが、コンテンツの柱として掲げている5つの要素、すなわち、オーストラリア産マカダミアにおける「味」、「信頼性」、「持続可能性」、「健康」、「オケージョン」です。

この5本の柱は、あらゆる市場でコンテンツ作りのための枠組として活用しており、当協会から発するメッセージの一貫性を保つと共に、製品の多面的な物語を表現するために活用しています。

オーストラリア国内のソーシャルメディア戦略を担当するホリー・ガルブレイスはブートキャンプ初日に半日に渡るワークショップを開催し、グローバルなチームに5本の柱について解説を行い、その可能性について説明しました。新しいアイデアの交換、質疑応答、市場による違いなどについて議論が行われ、白熱したセッションが繰り広げられました。最後には、それぞれの柱について明確でクリエイティブなヴィジョンが出来上がり、今後さらに消費者をエンゲージするべく様々なコンテンツ作りやキューレーションに大いに役に立ちそうです。

マカダミアのストーリーについての理解が深まり、いよいよマカダミア王国を直に体験する準備ができ、この5本の柱というレンズを通して体験することにより、より深く理解できる基盤ができたのです。

マカダミアの故郷を知る

マカダミア産地に人々を案内する最大の利点は、マカダミアの育つ環境、雰囲気を直接肌で感じてもらえること。しかし皮肉にも、マカダミアがどのような大地に育っているかを知ってもらうのに最も適した場所は空の上。マカダミアの土地に絆を感じてもらうことは、今回のブートキャンプにおいて最も重要な事のひとつなので、皆さんには早起きをしてもらい、熱気球に乗ってもらいました。

雲の間から朝日が差し込む頃、一行を乗せた熱気球がゆっくりと上昇し、緑豊かなマカダミア王国の上空1,800 フィートへ達しました。

Macadamia country from the air

マカダミア農園の美しさにうっとりする一行の目に飛び込んできたのは、ちょうど咲き始めた今年一番のマカダミアの花たち。緑一色の中に白い花が点在しています。空の上から眺める滅多に見られない壮大な景色、マカダミア樹園のパターンや色、全てが素晴らしく肌で感じられる、貴重な体験となりました

Hot air balloon over macadamia country

マカダミア農園の中へ

熱気球からの眺めは今回のブートキャンプのハイライトでしたが、次はいよいよ地上に降りて実際のマカダミア農園を見てもらいます。

クリーンでグリーンな栽培 幾つかの栽培農家を訪問。最初に訪れたハリス家の家族農園では、レックス・ハリス氏と2人の息子、ダニエルとカールが農園を案内し、ハリス一家がマカダミアの間に植えて大切に育てている熱帯雨林の樹木を見せてもらいました。熱帯雨林は、なるべく自然な生物を使用して害虫駆除を行うための目的で植えられています。レックス氏からは、マカダミアの害虫駆除や自家花粉に役立つフクロウ、蛾、ミツバチを飼育するための設備を見せてもらいました。

農園にとって最も大きな資産はその土壌。レックス氏の信念は「良い土壌があれば、良い木、良いナッツ、良い人間が育つ」というもので、一家は土壌の健康を維持するため自然の堆肥を用いており、また侵食を防ぐためにSmothergrassという芝を植えています。

Macadamia orchard tour

ハイ・ティー・ピクニック マカダミア農園で体験するハイ・ティーは格別です。今回はダック・クリーク・マカダミア農園でハイ・ティーが企画され、魔法のような素敵な時間が生まれました。

Macadamia processing facility

一行を出迎えてくれたダック・クリークのオペレーション・マネージャー、トーマス・ロンバルド氏は、まずマカダミアの花、マカダミアの木一本あたりの平均的な産出量、木の種類、カーネルの質、等級付けなどについて説明をし、その後ダック・クリークの加工工場へ案内、機械の説明、味付きマカダミアやチョコレートかけマカダミア作るために必要な 工程を見せてくれました。嬉しいことに、完成したばかりのマカダミア製品も試食させてくれました。

次には四駆に乗り、マカダミア農園の中へ。ハイ・ティーとピクニックが美しくセッティングされており、美しい農園の中で絵のようなピクニック。ここでは、チキンとマカダミア・コリアンダー・ペーストのサンドイッチ、マカダミアとマンゴーのトリュフ、チョコレート・マカダミアなどの美味しいメニューでした。 

High tea in macadamia orchard

先住民文化に触れる

ケープ・バイロンにある有名な灯台も訪れました。オーストラリアの最東端に位置するこの灯台からの眺めは絶景です。アラクワル・コーポレーションCEOのデルタ・ケイ氏が一行を出迎え、この土地のアボリジニの歴史や言い伝え、陸と海の地形について解説をしてくれました。海沿いや内陸に住むアボリジニにとって、マカダミアは貴重な食料源であり、非常に大事にされてきたと説明がありました。

Cape Byron Lighthouse

説明の途中では、アボリジニの一族であるアラクワル族の象徴となっている海の生物、イルカが眼下の海で飛び跳ね、ケープ・バイロンからクラークス・ビーチへの散歩道からは美しい海に見とクジラも姿を現し、すばらしい景色を楽しみました

農園の生産者とスピード・デート

合コンなどで良く使われるスピード・デート(男女が数分間一対一で会話をする形式)ですが、今回はカップルを作るのが目的ではありません。ノーザン・リバース地域でマカダミアを栽培している農家の生産者6名がマーケティング・チームの一人一人と話をする機会でした。

会場はレタバ・マカダミア・エステート。各国の担当者は生産者と5分間ともにし、マカダミア農業についての質疑応答を行いました。質問内容は幅広く、この業界に入った経緯、農園にある木の数、一年で一番好きな時期、休日の過ごし方にまでさまざまな話題にひろがり、これらの質問を通して、マカダミア農家としての生き方や生活が浮き彫りになりました。

今後マカダミアに携わる人々のヒューマン・ストーリーを紹介する上で貴重な体験でした。

コンテンツ向上のためのスキル

Photography workshop

質のよい写真は良いコンテンツに必要不可欠です。当協会のソーシャルメディア・プログラムがここまで大きな成功を収めているのも、美しく表現されている写真も大きな理由といえます。

プロの写真家の写真を共有することがほとんどですが、時にはマカダミアの味のストーリーを伝えるのに、その文化独自の観点から撮った写真を使用する場合もあります。

半日をかけて写真とフード・スタイリングのワークショップが実施されました。講師はプロのカメラマンとフード・スタイリストで、どのような工夫をすれば写真に写った食品が美味しそうに見えるかなどをレクチャーした後、複数準備されたマカダミア料理のスタイリングを独自で行い、写真を撮って結果を見比べました。プロ顔負けの写真やスタイリングも中にはあったほか、このワークショップを通じてコンテンツ作成する時ためのスキルを養いました。

野生動物との触れ合いとショッピング

マカダミアを語る上で欠かせない切り口が、観光地としてオーストラリアの持つ魅力。オーストラリアの大自然や動物を登場させると人々は興味を示します。今回一行はマカダミア・キャッスルというオーストラリアに生息する動物達の小動物園を訪問し、ウォンバット、カンガルー、コアラなどオーストラリア固有の動物と触れ会いました。

また、この小動物園に隣接する小売店では、マカダミアバター、ドレッシングなどのマカダミアの加工食品やハンドクリーム、石けんのような美容製品など、幅広い種類の製品を販売しており、自国ではなかなか手にすることのできないマカダミア製品の数々を

地元食品産業としてのマカダミア

マカダミアはノーザン・リバース地域の地元産業の一部であり、実際どのように使われているか知るのも重要なことです。

ファーマーズ・マーケット 地元の人なら皆バイロン・ベイ・ファーマーズ・マーケットに出かけコーヒーを飲み、ショッピングを楽しみます。この地域で取引されている農作物や食品を見学しに出かけました。

Byron Bay Farmers Markets

案内役を務めたのはバイロン・ベイでは有名なリゾートホテル、ザ・バイロン・アット・バイロン・リゾート・アンド・スパのヘッド・シェフ、ギャヴィン・ヒューズ氏。その日の夜全員で味わうディナー用の食材買い出しも兼ねてマーケット内を案内、地元の生産者たちを次々に紹介してくれました。

ギャヴィン氏は惜しげも無くその知識を披露してくださり、地元の食の種類と質について理解を深めることができました。特に皆に大好評だったのはレインフォレスト・フーズが販売しているマカダミア製品で、あまりに沢山購入したため、販売商品が足りなくなったほどでした。 Rainforest Foods macadamia products on offer, purchasing so much that home delivery was required!

マカダミア・カフェ・カルチャー ザ・ファームにある人気カフェ、スリー・ブルー・ダックスでは、マカダミアが朝食メニューに取り入れられているということで訪問しました。その人気メニューとはパイナップル、パッションフルーツ、マカダミアを添えたココナッツ・ライスプディング。ザ・ファームには自家用のマカダミア農園もあり、誰でも見学することができます。

ファーマーズ・マーケットの食材を使ったディナー 最後を飾るのはギャヴィン・ヒューズ・シェフが一行のためにその日の朝に買った食材を使って特別に作ってくれたディナー。ザ・バイロン・アット・バイロン・リゾートでいただいたメニューは、特にデザートが圧巻で、ココナッツ・アンド・ライム・パフェ、2通りのパイナップル、ジンジャー・ビール、クラッシュド・マカダミアとウィルソン・クリークの花を添えたフィンガー・ライム・ソルベという豪華さでした。最高の味を堪能してブートキャンプを終えることができました。

今後の制作物と業績目標

メッセージとエンゲージメント ブートキャンプを終え知識とツールを手にいれたグローバル・チームは、今後より一層、質が高く一貫性のあるメッセージを主要市場である各国の消費者に向けて発信していくことが期待されています。

メディア露出 今回のブートキャンプは、ABC TVの番組「ランドライン」をはじめ、ABCラジオ、オンライン・メディアなど、様々な形でメディア露出されました。

製品についての知識向上 主要市場でマカダミアについて発信を行っているスタッフが、今回のブートキャンプを通じてマカダミア産業全体やマカダミア製品について大幅に理解を深めることができました。これは、今後より一層消費者の興味を引くような魅力的な話を伝えることが可能になり、オーストラリア・マカダミアの認知度と需要が高まることにつながります。

グローバル・コラボレーション

今回のイベントを通じて各国チームの関係性が強化され、一緒に学びコラボレーションしていくという精神が養われました。

これは、今後各市場において最適なパフォーマンスを引き出し、グローバル・プログラム自体が引き続き成功をおさめるのに役立つでしょう。

オーストラリア産マカダミアの良さを消費者に広めるための、今後の活動をご期待ください!

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マカダミアの原産地であるオーストラリアは、太古の熱帯雨林に基づいた産業が盛ん。約6,000万年前にオーストラリアの土壌で誕生し、現在では約50年の歴史を持つ商業用マカダミア農園は、ニュー・サウス・ウェールズ州とクイーンズランド州を中心に、複数の地域に41,000ヘクタール以上の広さで育成されています。

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