マカダミア需要が新記録を達成
供給
2019年の世界全体でのマカダミア生産量は限定的なため、2020年には在庫が最小限になると予想されま す。
オーストラリアでは異常気象とも言える長く乾燥した夏だったためナッツのサイズは小ぶりとなり、収穫量(殻 付、水分含有量3.5%)も42,900トンに減少しています。中国も干ばつの影響で長い乾燥期間が続いたため、 収穫予想が29,000トンから20,000トン程度に下方修正されました。
一方、5月に58,500トンと予測されていた南アフリカの収穫量は好転し、現在は60,000トンを超える見込み となりました。 南アフリカは厳しい干ばつから回復し、良い気象条件のもと2019年の収穫を迎えました。
需要
主要市場のマカダミア・カーネルの需要は増加の一途をたどっています。カーネル生産量の約70%を消費す る世界の5つの市場の輸入量は、2019年4月までの12ヶ月間で27%増加、同様に売上は40%増加し 519万米ドルになりました。
2019年4月までの12ヶ月間は記録達成の一年でした。 ヨーロッパの輸入量は7,389トンでピークに達し、 過去最高を大きく更新しました。それまでの最高輸入量は2011年の5,770トンでした。米国も最高レベルの 輸入量を記録し、自社生産分と合わせてマカダミアの最大の消費国の地位を独走し、消費量は16,000トンを 超えています。 日本の輸入量は2,887トンと大幅に増加し、2013年4月までの12ヶ月間で達成した過去最 高記録である2,798トンを上回りました。オーストラリア国内市場のカーネル販売も4,050トンで過去最高を記 録しました。
2019年6月までの12ヶ月間には製品のイノベーションも力強く推移し、372もの新製品が発売されました。 2019年第2四半期に発売された87の製品のうち、77(88%)がマカダミアを「独自の売りの提案」として採用 し、これは前四半期の74%から増加しました。 確立された市場とみなされていない他の国々でも新製品の数 は増加し(7%)、今後につながる動きとなりました。
このようなイノベーションは心強いものであり、オーストラリアのマカダミア業界が推進している国際マーケティ ング戦略である「イノベーション・イニシアチブ」の3年計画と一致しています。「イノベーション・イニシアチブ」 とは、マカダミアを使用した新製品開発の環境を促進し、製品投資に熱心な食品メーカーをサポートする活動 です。
オーストラリア産 販売
オーストラリア産カーネルの売上は、世界的需要増加の直接的恩恵を受け、2019年6月までの12ヶ 月間で28%と力強い伸びを見せました。全ての市場で大きく伸びましたが、最も伸び幅が大きい米国 が 72%、ドイツが 62% 、日本が 38%と大きく成長しました。 他のアジアおよびヨーロッパ市場への 売上も増加し、既存の市場を超えて流通が拡大していることを示しています。同時期の 殻付きマカダ ミアの販売は16%減少しましたが、これはオーストラリアがカーネル市場の開発とサポートに注力し ている方向と一致しています。