アジア市場から引き続き堅調な需要
供給
収穫の状況については、8月の発表から変更なく、前年度の数字である18万5千トン(殻付き)を上回る期待 はできない状況です。2018年度の生産はオーストラリア、南アフリカ共に10月にしっかりとした降雨量があっ たため見通しは明るいです。
オーストラリア産 販売
2017年9月までの1年間のカーネル売上は安定しており、特にアジア市場からの需要が引き続き堅調でし た。現在までの1年間のカーネルの売上は、5年間の平均値よりわずかに下回っています。
2017年9月までの殻付きの売上は大幅に増加し、現在までの1年間の売上は前年同期比で24%増加して います。
需要
日本
全マカダミア生産国からのマカダミア・カーネル総輸入用は9月時点の過去1年間では2%増加、特にオース トラリア産は同期間では8%の増加となりました。品質面ではオーストラリア産の需要は高くはありますが、こ の期間は著しく供給量が限られていたためとも言えます。製菓菓子用は安定しており、クッキーなどの新たな 商品開発が進んでいます。既成のマカダミア入り商品では、ミックスナッツ内のマカダミアの分量の削減、パッ ケージのサイズ変更などで対応されています。
韓国
全マカダミア生産国からのマカダミア・カーネル総輸入用は9月時点の過去1年間では16%増加。オーストラ リア産はそのうち最大の95%を占め、同時期でオーストラリア産カーネル販売は65%も増加しました。マカダ ミアへの興味は高く、大きな成長機会が見込める状況です。マカダミア既製品、および開発段階の商品はス ナック分野で、トレールミックス、味付けしたものなどが主流です。Eコマースから、付加価値をつけた商品が 中国へ輸出されるものもあります。
台湾
全マカダミア生産国からのマカダミア・カーネル総輸入用は9月時点の過去1年間では25%減少。同時期の オーストラリア産カーネル販売は15%の落ち込みとなりました。需要は高いものの、供給を確保が困難であっ たためと言えます。
中国
全マカダミア生産国からのマカダミア・カーネル総輸入用は9月時点の過去1年間では10%増加、殻付きの 輸入は7%増加しています。オーストラリア産カーネル販売は倍以上となり、特に殻付き販売は36%増加して います。これはマカダミアの需要が高いうえに、南アフリカからの供給が制限されたことも影響があります。マ カダミアに対する中国の需要は引き続き高く、さまざまなナッツのブランドがマカダミアを目玉商品としてE-コ マースでは紹介しています。カーネルの市場はまだ発展途上段階であり、広がりを見せるにはもう少し時間を 要する状況です。
ヨーロッパ
全マカダミア生産国からのマカダミア・カーネル総輸入用は8月時点の過去1年間で10%減少、オーストラリ ア産カーネル販売も9月時点の過去1年間では16%の落ち込みです。小売り商品の価格が値上げされてい るにも関わらず、市場はうまく機能していますが、量への影響は最小限です。おそらく約80%がスナックに使 用されるヨーロッパの製造業では、今後も大きな機会が見込まれます。
米国
全マカダミア生産国からのマカダミア・カーネル総輸入用は6月時点の過去1年間で6%減少し、オーストラリ ア産カーネル販売も9月時点の過去1年間では10%の落ち込みです。マカダミア・カーネルの最大の市場で あるにも関わらず、スナックとクッキーに使用されるのが主流である他は、あまり広がりを見せていません。過 去12-18か月の間、マカダミアとその他のナッツの価格幅が広がり、影響がでています。この市場での商品開 発の余地は今後十分にあり、大量使用の可能性も秘めています。
オーストラリア
マカダミアカーネルの輸入量は、9月までの過去1年間では総消費量の約3%以下にとどまっています。多く の商品が生鮮商品または調理済のスナック形態として販売されており、約25%は加工食品に使用されていま す。過去12か月ではあまり革新的な商品はみられませんが、大手スーパーマーケットに陳列しないような、ニ ッチな商品がマカダミア生産者やマカダミア産業に関わっている人々により、数多く開発されています。
レポート内で使用されている統計の出展元:The Australian Macadamia Handlers Association, China Customs, Hong Kong Census & Statistics Department, Korea Customs and Trade Development Institution, Taiwan Directorate General of Customs, Japan Ministry of Finance, Eurostat, USDA, ABARES