将来、オーストラリアの病院でマカダミアの殻が活躍するかもしれません。科学者たちは、中毒症状の 解毒剤としてマカダミアの殻が有効であることを発見しました。
ホート・イノベーションが資金支援をしているマードック大学の研究によると、砕いたマカダミアの殻は特定 の中毒(例えばパラセタモール中毒)に対して、昔から使用されている炭よりも効果的な解毒作用があるこ とが分かりました。
現在オーストラリアの病院でよく行われている解毒治療は、ココナッツの殻から作った炭を患者に飲ませ、 お腹の中にある毒を吸着させて排出する方法です。
マカダミアの殻の毒に対する吸収率は従来のココナッツを利用した治療法とあまり変わらず、場合によっ ては特定の薬物が吸収しやすくなるよう操作することも可能です。
ホート・イノベーションのチーフ・エグゼクティブ、ジョン・ロイド氏によると、この驚くべき発見は、現在廃棄さ れている殻の新しい活用法として、マカダミア農家にとって新しい市場開拓を意味します。
「現在園芸業界において、食品廃棄物削減に関する研究への投資はとても増えており、生産者たちは廃 棄物を再利用する方法を常に模索しています」とロイド氏は言います。
「特にマカダミアの場合、実の重量の6割が殻に占められており、大量の殻が廃棄されています。」
「この発見が非常にエキサイティングなのは、マカダミアに付加価値を加え、生産者たちに第二の収入源 をもたらす可能性があるからです。」
研究主任のジェラルド・エディ・ジャイ・ポワイナン博士によると、この研究により驚くべき結果が明らかにな ったそうです。
「ナノテクノロジー研究室では、マカダミアの殻の内側にある特有の細胞基質を使って強力な吸収溶液を 作り驚異的な割合でパラセタモールを吸収させることに成功しました。」
「ナノテクノロジー研究室では、マカダミアの殻の内側にある特有の細胞基質を使って強力な吸収溶液を 作り驚異的な割合でパラセタモールを吸収させることに成功しました。」
マカダミア業界からの補助金とホート・イノベーションを通じた政府支援を受けている同研究は、もうひとつ 興味深い発見をしています。それは、マカダミアの殻を金産業で活用する可能性を示唆するものです。
研究によると、マカダミアの殻に含まれる高品質の活性炭は、金回収技術のカーボン・イン・パルプ法に利 用できるそうです。
「オーストラリアの金産業は輸入のココナッツ活性炭に依存するところが大きく、これは世界中で需要が大 きいので、マカダミアの殻にとって絶好の機会となります。」
博士は研究の次のステップは、マカダミアの殻を活性炭化するプロセスを改良し、強度、堅牢性、吸収率 を上げ、医療グレード及び金産業の基準に適合するようにすることだと語っています。
MEDIA CONTACT: Kelly Vorst-Parkes on +61 447 304 255 or Kelly.vorst.parkes@horticulture.com.au